MOTTO
私たちは、その未来を「食」の充実を守ることで実現したいと考えました。
私たちは「人」に注目しました。「食」を支えているのは「人」です。私たちが豊かな食を享受し、食を通して幸せな時間を過ごしている裏舞台では多くの「食を支える人」たちが働いています。その人たちの頑張りがあってこその「食」の恵みを私たちは受け取っています。
私たちは、「食」の充実が続くためには「人が充実する」=「食を支える人が充実した人生(キャリア)を送る」ことができる世の中が実現することが欠かせないと考えました。
私たちは3つの切り口からアプローチを開始します。
まず、一人ひとりの「個」としての人生(キャリア)の歩みを支える仕組みづくりを目指します。そもそも、人生(キャリア)とは一人ひとりが自ら構築し、意味づけしていくものです。誰かが「こういう生き方をしなさい」と指示し、それに従えばよいというものではありません。
先人の知恵や他人の人生に何かを学びながら、自律的に人生をデザインし、積み重ねていくための仕組みを社会に生み出したいと考えました。
さらに、その生き方、努力の成果を社会から評価され、誇りに思えるステータスの確立を後押しします。「食を支える」を生業としていくことの価値を見える化し、誇るべき実績をあげたことが社会から敬意と尊敬の念をもって理解されることは、本人はもとより次世代の担い手を生み出すためにも大切なことだと私たちは考えました。
そして、そんな人たちがつながり、高め合い、支え合いながら次世代へとつながっていく「食のエコシステム(生態系)」の発展に貢献します。
人にはそれぞれに長所短所、得意技もあれば弱点もあります。しかも、時間の経過とともに心身は変化し、生活環境も一定ではありません。そんな人たちがつながり、役割を果たし合い、長い目で見ると担い手としてのバトンが次世代へと渡されていくようなコミュニティをつくってまいります。
私たちのアプローチは、「個」としての充実支援、その「個」を支える社会への働きかけ、「個が集まるコミュニティ」を持続性ある基盤として社会構造化すること、それら3つの角度で構成されます。
動いてみなければわからないことだらけです。しかし、動かなければ何も変わりません。食で未来を創るアカデミー、活動開始です。
2020年春
一般社団法人 食で未来を創るアカデミー
MESSAGE
私の人生を振り返ったとき、思い出される光景の中にはいつも「食」がありました。
経営者として奮闘していた父に連れられての食事。職場の人たちを招き、何を出そうかと悩みながらも楽しく準備したディナータイム。あの日、あの場の会話や光景が今でも鮮やかに脳裏に浮かんできます。
そんな私が「食」を仕事としたのは約20年前。最初は岡山市内に「レストラン レオーニ」を開業。今では岡山や豊島(香川県)で複数の飲食・宿泊施設を営むようになり、現スタッフのみならず、私のお店を卒業して各地で活躍する元スタッフの存在を誇らしく思えるまでになりました。
ただ、そうする中で1つの心配事、問題意識も芽生えていました。
私がこれまで接してきた「食を支える人」たちは朝早くから夜遅くまで真面目に働き続けていました。職人として、プロとして、自分の仕事で手を抜きたくないという想いは理解できますし、その弛まぬ研鑽を通してしか実現できない境地もあるのだと思います。
そして、その道で頑張る人がいるからこそ、私たちは食の恵みをいただくことができています。
でも、彼らも年齢とともにそうした無理ができなくなる時がやってきます。実際に、身体を壊すこともあれば、加齢とともに五感が衰えることで若い時のような仕事ができなくなるという話も耳にします。
それでいいのだろうか? 食を支えている人たちが、年齢や環境の変化の中で新しい役割を見つけていくことはできないのだろうか?
また、もっと社会から評価され、敬意と尊敬の念をもたれ、次世代が憧れる仕事になっていけないだろうか。
食アカ構想は、私個人にとってはそんな問題意識への答えとして生まれたものです。
「食を支える人」がより良い人生を歩み、誇りと安心を持って仕事ができる環境づくりに貢献すること。それは私にとっては、「食」の世界にかかわってきた自分自身の仕事の総仕上げです。もちろん、食アカのメンバーやこの動きを支えてくれる多くの人々にとって、それぞれの意味合いがあるでしょう。
私自身の強い想いとメンバーそれぞれの想いを融合させ、未来を創ってまいります。
2020年春
一般社団法人 食で未来を創るアカデミー
代表理事(理事長) 福武美津子
BOARD MEMBER
理事
NAGAMATSU HIDETAKA
理事
FUKUSHIMA TAMOTSU
監事
KATSUAKI KAWACHIKA
PROFILE