INTERVIEWインタビュー

鎌田 友毅

YUKI KAMADA

京都『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』オーナーシェフ

 

鎌田 友毅

京都『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』オーナーシェフ

かつて琵琶湖疏水の開削、日本初の水力発電所誕生といった近代化、イノベーションの地となった京都市岡崎地区。日本最大級の鳥居がランドマークとなり、琵琶湖疏水が流れる界隈に美しい庭園や文化財、美術館、博物館、イベント会場が集積した京都を代表する文化・交流ゾーン。その一角に、食通たちに衝撃を与え、魅了し続けるピッツェリアがある。

『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』

ミシュランガイドにも掲載され、京都随一、全国屈指の呼び声も高い人気ピッツェリアだ。食アカな人 vol.3では、この『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』のオーナーシェフ:鎌田友毅氏に話を伺った。

お店に近づいていくと、通りに面したガラスの向こうに鎮座する立派な薪窯が私たちを出迎えてくれる。窯の壁面には店名の「DA YUKI」の文字。「DA YUKI」は言うまでもなくシェフの名前に由来する。この地での成功を目指した鎌田氏の決意や覚悟がその文字に込められているのだろう。

隅々まで磨き上げられた厨房には光沢を放つ調理器具が配置され、細長い構造の店内では鎌田氏を中心に連携のとれたスタッフたちがテンポよく仕事をまわし、活気に溢れた店内を捌いていく。その中心にいるのがオーナーシェフ:鎌田氏だ。生地をのばし、具材をトッピングし、あっという間にピッツァを焼き上げる。常に店の細部に目を配り、全体の動きの中でピッツァを焼くベストなタイミングを計っているのだろう。

同店のピッツァは、鎌田氏にしか作ることができないと称される。同じ材料、薪窯を使っても同じものはつくれない。粉を握った瞬間に微妙な水分量を感じ取り、酵母の具合を見極めたうえで、温度・湿度の変化を織り込みながら鎌田氏が練り上げる生地。さらに、薪や生地の投入のタイミング、焼き上げの際の1枚1枚のマネジメント。その全てが違いを生み出していくのだろう。ピッツアづくりは奥深く、一流のピッツァイオーロ(ピッツァ職人)である鎌田氏の卓越した技術がそこに活かされる。

その卓越した職人としての技量はもちろん、オーナーシェフとして屈指のピッツェリアを作り上げた鎌田友毅氏の人生(キャリア)を紐解き、そこに学びたい。
 

鎌田 友毅

京都『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』オーナーシェフ

1978年 京都府に生まれる。西陣織の帯職人だった父親の姿を見て育った鎌田氏。幼いころから「自分も将来は職人になりたい」と考えていたそうだ。

当時、看護師の仕事で母親も家を空けることが多かった。男三兄弟の長男だった鎌田氏はお腹がすくと「何つくろう?となった」(本人談)とのこと。

甘いものが欲しくなったら牛乳ゼリーをつくる。フランス料理の本を見て面白そうだと思ったら、自宅にある米酢とオリーブオイルとでサラダをつくってみる。気がつくと料理に興味が湧き、「職人になりたい」が「料理人になりたい」へと変化した。

さらに、TV番組「料理の鉄人」(フジテレビ及び同系列局で放送されていた料理人対決型の料理番組)から刺激を受け、調理場で火を操り、鍋を振る料理人の姿に自分の将来を重ね合わせた。その想いを胸に鎌田氏は調理師学校へと進み、料理人への道を歩んでいく。

1997年 調理師学校を卒業した鎌田氏は、京都におけるイタリア料理店のパイオニア的存在「ながぐつ亭」に入社。当初から「20代のうちに独立する」ことを目指していた鎌田氏は、ここで“ピッツァ”の世界と出会った。

当時「ながぐつ亭」が2号店として開店したのがピッツェリア。ナポリにあるような本物のピッツェリアを京都でやろうというコンセプトのお店には薪窯が入り、ナポリから腕利きのピッツァ職人(イタリア人)が呼び寄せられた。イタリアの粉、ビール酵母を使い、本物の職人が薪窯を使って焼き上げる“ピッツァ”に衝撃を受けた鎌田氏は「カルチャーショックの連続」(本人談)を繰り返しながらピッツァの技術を習得した。

2007年 自らのお店『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』を開店。「20代のうちに独立」という目標通り、本場ナポリでの修行も経たうえで29歳の時に自分自身の店を開業。暴風雨でキャンセルが続出する日には「(いつもは予約でいっぱいだけど)今日なら入れるか?」というファンで再び席が埋まるというほどの人気店をつくりあげた。

その『ピッツェリア ナポレターナ ダ ユウキ』は今年で13周年を迎え、14年目に入った。現状に安住せず、進化を続ける中で、鎌田氏自身は、長年の修行、仕事の影響で「小麦アレルギー」とも付き合っている。そんな中でも成長の歩みを止めない鎌田氏にさまざまな示唆に富むお話を伺った。
 

食アカな人

第1回 目標から逆算されたステップ

第2回 本物と出会い“ほんまもん”を目指してナポリへ

第3回 オーナーシェフとして壁を越える

第4回 今、想うこと(ご自身のこと、料理人にとって大切なこと)

【食アカの視点】鎌田友毅さんへの取材を終えて